流域治水
コロナ禍の中、今年も甚大な洪水氾濫災害が起きてしまった。これから台風ラッシュもはじまろうとしている。大きな被害が起きないことを祈るばかり。
関連して、土木学会の以下のシンポジウムをyoutubeで視聴した。
講演より、自分なりに印象に残ったポイントを以下にメモしておきたい。
- 豪雨のカギは、①多量の水蒸気の流れ込み、②梅雨前線、台風、線状降水帯、③大気の流れ(偏西風の状況など)。このうち、①については、気象庁の分析によれば、温暖化の影響がありそう。②、③については、温暖化の影響では不明(現在の知見では分からない。)
- 令和2年7月豪雨で氾濫が生じた球磨川のような盆地部ー狭窄部を流れる河道の洪水水理についてはまだ科学的な理解が不十分。今後、山地河道の洪水水理現象とそれがもたらす災害形態、減災対策について、集中的な研究が必要。
- 大河川の河川整備計画では、年超過確率1/100~1/200といった目標を掲げているが、まだその水準までは達していないのが現状。特に山間部等の中小河川における整備水準はまだまだ低い。これを念頭に、流域治水の観点にたち、「どの程度の雨に対して、どこを、どの程度守るのか」ということについて、メリハリをつけた対応が急務。
流域治水について、土木学会の「台風第19号災害を踏まえた今後の防災・減災に関する提言」の定義は、以下のとおり。
流域治水は、流域の自然を適度に保全・活用しつつ、河川管理者が治水対策を実施し、地方自治体が保水・遊水機能を有する土地の保全・整備、二線堤や輪中堤等の施設整備、内水排除のための下水道整備、氾濫リスクのより少ない場所への都市や住宅の誘導、災害危険区域設定、防災集団移転事業の推進などを行い、地域コミュニティーや住民が円滑な避難体制を構築するという、自助・共助・公助の総力をあげた治水の総体である。
明日は、災害級の暑さとのこと。昼間は極力出歩かないようにしたい。
今週のお盆休みは、家族で伊良湖岬と茶臼山高原に行きました。密と暑さを避けるため、どちらも早朝に出発して、昼過ぎに帰ってきました。